公認オープン競技会の増設

登録者であれば年代・能力に関わらず誰でも参加できる「公認オープン競技会」の増設をめざします。

  • 栃木は他都道府県に比べ、多様な年代・水準の選手が参加できる公認オープン競技会が非常に少ない。
  • 施設が有効活用されていない。審判員の高齢化に伴い、若手・教員外の審判員確保が大きな課題。
  • 魅力あるイベントを企画して新たな価値を創造し、地域を盛り上げていくことが求められる。
栃木県は公認競技会が非常に少ない(県民人口規模同等の福島・群馬の6割未満)。多様な年代・競技水準の選手が参加可能な「オープン競技会」の増設が望まれる。

現在、多くの大会は参加申込がWebで行われ、記録処理にはコンピュータが用いられています。トラックレースではリアルタイムで速報が流れ、フィールドの記録も終了後1時間程度で結果一覧が公開されます。大会によってはモバイル速報が採用され、世界中どこにいても結果をすぐに知ることができます。

日本国内の場合、日本陸連の加盟団体が主催し、登録選手が集い、公認競技場において公認審判員により運営される大会を「公認競技会」といいます。そしてその大会で出された記録が「公認記録」となります。

登録の有無に関係なく、任意の参加者を対象として行う小さな記録会も、参加者にとっては同じ「陸上競技」の活動です。しかし、昨今のスポーツ振興の流れをみると、競技をより公正かつ適正、そして安全に実施することや、信頼される組織により運営されることなどが求められます。そのため大会は、なるべく公認競技会として開催することが望まれるところです。

栃木県では、こうした「公認競技会」の年間開催件数が、他県に比べ非常に少ない状況です。

栃木で主に行われている競技会は、中学・高校・一般などそれぞれ種別で行われる選手権や対校大会、国体の予選会などです。多様な競技水準、年代の選手が自由に参加できるようなイベントが、非常に少ないのです。

例えば高校・一般の女子が走高跳に参加を希望しても、選手権や対校大会などでは開始試技が1m40かそれ以上です。自己記録がそれに満たない選手は、ベスト記録を出さない限り「記録なし」となります。選手権や対校大会など以外でも、上位選手の環境を優先するため同じような開始試技となります。経験の無い選手が「やってみたい」と思っても、参加できる機会がありません。

また、10月に市町対抗大会として開催される県民スポーツ大会では、多くのシニア・マスターズの選手が集います。参加資格に陸連登録は必要無く、公認競技会ではありません。もちろん記録も公認になりません。本来、こうした大会も公認として扱われ、県内各競技場で年間を通じて参加機会が得られるようになることが望ましいといえます。

オープン公認競技会の開催や増設に当たっては、審判が圧倒的に不足しています。例えば栃木県選手権の場合、3日間の開催で、選手の参加人数はおおよそ1,200名になります。そして必要な審判員数は、1日当たり120名くらいになります。他の競技に比べ、たくさんの審判が必要です。

現在の審判員は、中学・高校の教員と、その退職者がほとんどです。また「栃の葉国体(昭和55年)」時代に審判になった方が現在も務めてくださっており、そうした方々はおおよそ60歳半ばかそれ以上となるなど、高齢化が著しく進んでいます。

教員は本来、生徒の引率・指導のために大会へ来ている訳ですから、教員中心で大会を運営することは、本来好ましいことではありません。引率した生徒が参加していない種目の審判をしている際に、何らかの事故に遭った場合、公務災害が適用されない可能性もあります。引率兼務で無く、専門の審判員を中心として大会を運営し、教員にはできるだけ本来の引率業務に従事していただく仕組みをつくることが理想です。

こうしたことは、内情を知る誰もがわかっていることですが、誰も解決しようとしないまま、あるいは解決しようとしても効果を得ないまま、これまで多くの時間が過ぎてしまいました。

施設の状況をみると、栃木県では他の同じ人口規模の都道府県に劣ることなく、たくさんの公認競技場があります。宇都宮、大田原、栃木、小山、佐野、足利、真岡、下野、鹿沼

決して数は少なくないのですが、それぞれの施設で開催する、公認競技会の数・実績には、大きな偏りがあります。更新期間内の5年間のうち、公認競技会の開催実績がほとんど無い施設もあります。

開催実績が少ない場合、その施設は公認種を降格したり、場合によっては公認を取りやめたりしてしまうことがあります。折しも台風等の自然災害被災に伴い、各市町では財政難となっており、更新に必要な予算の確保も非常に困難となっています。

仮に、毎月のように公認競技会が行われ多数の参加者を迎えていたり、時には中学・高校新記録、あるいはマスターズ新記録など輩出されていたりすれば、5年に一度の公認更新も、きっと今よりもスムーズになるはずです。

それぞれの競技場で、大会の回数を重ね歴史と伝統を少しずつ積み上げたり、また栃木陸協が主催する単独種目の競技会を、グランプリ形式などで会場持ち回りによって実施したりするなど、さまざま工夫を凝らした上で、展開していくことが望まれます。

現在、価値あるイベントに対しては、たとえ参加料が高額であっても多数の参加者が参集します。新たな価値を創造し、多くの方が参加したいと思えるイベントを企画して、地域を盛り上げていくことが、スポーツ団体には求められます

今後、委員会の取組を通じて、時代に相応しい制度をつくり、よりよい事業を企画・運営できるよう務めていく。とちぎの陸上競技を次の世代につなぐための、重要な取組となります。

結びに参考として、2019年度の栃木陸協主催競技会におけるフィードバックアンケート結果をご紹介いたします。大会毎に参加者・関係者からご意見をうかがい、次回以降の大会運営に活用してまいりました。今後の企画にも活かしてまいります。

2019年度栃木陸協主催競技会 フィードバックアンケート結果

一般財団法人栃木陸上競技協会・PDF 2,9MB