一般登録者の規模拡大

学生経験者が卒業後も陸上競技に関わり続けることができる枠組みづくりをめざします。

  • 栃木の登録者は中学・高校の割合が高く、一般区分の割合が全国で最も低い。
  • 普及の対象を、減り続ける子どもだけに限定するのではなく、大人の層へと広げていくべき。
  • 「する立場」としてウェルネス陸上の普及発展が、「支える立場」として審判・役員の養成・増員が、求められる。
一般区分の比率が高い順に都道府県を並べたもの。栃木は一般区分の登録者が非常に少ない。中学から大学までで競技を経験した方が、卒業後にも地域で何らかの関わりを持ち続けるための仕組みや工夫が必要。

毎年たくさんの高校生や大学生などが、陸上競技に親しみ競い合い、たくさんの思い出を紡いでいきます。記録や順位を競い合うだけでなく、競技を通じて友情を深めたり、特に衝突をしたり、笑ったり怒ったり涙を流したりして、心を育てていきます。

多くの高校生・大学生は、卒業後に競技を離れます。高校生が大学生になった際に、別な競技に移る。高校生あるいは大学生が卒業と同時に、競技を引退して進学したり就職したりする。ごく自然な流れです。日本全国どこでも、同じような様子がみられることでしょう。

そうした中、一部の方は、社会人になってからも、地域陸協・クラブや任意団体に所属し、競技を続けます。あるいは審判資格をとり、支える立場として陸上競技に関わり続けます。

この点について、栃木県では他に比べ、明らかに異なる傾向があります。

登録のカテゴリーについては、中学・高校・大学・一般の4分類に分けることができます。それぞれの全体比をみると、中学と高校の割合が非常に高く、その一方で一般の割合が圧倒的に低いのです。その程度は、全国47都道府県の中で飛び抜けて最も低く、全国1位となります。

つまり栃木県では全国に比べ、学生経験者が卒業後、競技に関わっていく割合が全国で最も低いという状況にあります。

一般に、子どもの数は年々減り続ける一方、中高年者の割合は高くなり、その傾向は今後も続くものと考えられます。競技振興を考える際、普及していく・広げていくということを考えると、減り続ける子どもだけを対象としてするのではなく、増え続ける大人の層へと対象を広げていくことを検討すべきと考えます。

日本陸連は2017年に「2040年に向けた日本陸連のコンセプト」として、JAAF VISION を示しました。その中では、シニア層の競技参加について、次のように記されています。

これまで JAAF が時代に求められてきたことは、トップアスリートの活躍によって国民に勇気をあたえること、青少年の健全な育成に寄与することが中心でした。しかしながら、今後ますます少子高齢化が進み、若い競技者が激減する時代の到来が予想されます。

スポーツ庁は、政策目標に「成人のスポーツ実施率向上」を掲げており、また、障害者スポーツに対する取り組みも重要になってきています。これまでの取り組みに加えて、すべての人にそのライフステージに応じたスポーツ機会の創造が求められているのです。

トップアスリートの競技力向上と青少年への育成を中心に行ってきた活動を「競技陸上」とすると、これからはいろんな世代の人々がアクティブなライフスタイルを送ることを目的とした「ウェルネス陸上」の実現が求められています。

https://www.jaaf.or.jp/pdf/about/jaaf-vision-2017.pdf
ウェルネス陸上

この説明文からみると、栃木は「ウェルネス陸上」の層が、全国で最も低いことになります。高校・大学を卒業した方々が、もう一度陸上競技に親しみ、関われる機会を持つようになり、陸上競技をする立場、あるいは支える立場となって、より健康的に生きがいを感じながら、日々を過ごせるようになっていただけることを願いたいと思います。

では、どのようにすれば高校・大学を卒業した方々が、競技に携わり続けることができるようになるのでしょうか。その方法や仕組みを考え、2023年以降には、今と違う未来を実現できるよう取り組みたいと考えます。