助成等を活用した事業展開

toto助成を活用をするなどにより、従来実現困難だった事業の展開をめざします。

  • 法人格を持つスポーツ団体は、サッカーくじの収益による助成金を活用することができる。
  • 2022年国体終了後は補助金が減る見通しであり、魅力ある事業を展開していくためには助成金活用が不可欠。
  • 多額の費用をかけて建造された立派なスタジアムを有効活用できるよう、年単位で準備していく必要がある。

栃木陸上競技協会では、2015年10月に法人格を取得し、一般財団法人となりました。それまでの任意団体、すなわち法でいう「権利能力なき社団」から、組織としてこれまで以上に、社会的信用を保ちながら、相応しい責任を果たすべき団体として、活動していくことを求められることとなりました。

日本スポーツ振興センターでは、スポーツ振興くじの収益を活用した助成事業を行っています。いわゆるサッカーくじ、totoの収益を活かすものです。日本国内スポーツ関連の各行政機関や各法人団体の多くが、この助成を受けて様々な事業を行ったり施設を拡充したりしています。法人格を持つ栃木陸上競技協会も、その対象となることが可能です。

経費の8割を助成金で充てることができる。200万円の事業であれば団体の持ち出しは40万円であり、助成金160万円を充てることができる。

例えば大規模スポーツイベントを企画する際に、審査を通れば経費の8割を助成金で、残り2割を主催団体で持つことなどが可能となります。他の都道府県陸協では過去、北海道・埼玉・東京・石川・福岡の5都県により、2013年から2019年までの8年間で延べ25件、1件あたり平均194万円の受給実績があります。2020年には新たに岐阜も助成対象となっています。

47都道府県陸協において、これまで6団体のみしか活用していないのは、各団体にとって手続きが煩雑、あるいは審査が厳しいと受け止められているためです。ありがたい制度であることはわかるのですが、なかなか手を出しにくいというのが現状のようです。

経営感覚を持つことが不可欠

全国の受給実績をみると、例えば比較的規模の小さなNPO法人のサッカークラブなどでも、バス購入費に充てるなどしています。そうしたクラブには自営業の方や会計に詳しい方など、totoに限らず様々な助成金の申請や処理を経験されている方がいらしたり、「どうしてもその助成金を活用して組織を良くしたい」という熱意のある方がいらしたりして、上手に助成を受けているようです。

一方、地方競技団体の役員の多くは、教員と元教員が占めます。教員は業務上、収益性を考慮した活動を行うことがあまりありません。助成金を得たり工夫して収益を生み出したりするなど、自助努力を重ね経営内容を工夫する。財源を増やし、それを活用してよりよい事業を展開していく。そうした慣習や、そうしたスキルを身につける機会がほとんどありません。

昭和の頃には「選手を鍛えて結果を出せばお金が沸いてくる(付いてくる)」という時代もあったそうです。この記事を執筆する筆者も含め、そうした時代の申し子であり、これら世代においては、いわゆる経営感覚に欠ける傾向があると言わざるを得ません。

栃木では国体開催に合わせて、多額の費用をかけて本当に立派なスタジアムが建造されました。2022年の国体のメイン会場として活用されることは当然として、その後、10年・20年と、どのように活用されていくかが、地域の競技振興上とても重要な課題となります。

国体終了後は他都道府県の例に漏れず、行政による強化費や活動支援費などの補助金が、大幅に減額されるものと予想されます。したがって国体後に魅力ある大会を運営するためには、totoなどによる助成金を活用することが不可欠となります。このほか、クラウドファンディングなどの活用も検討していく必要があるでしょう。

当然ながら、国体が終わってから計画をするのではなく、2020年の現在から年単位で時間をかけて、国体終了後に魅力ある複数のイベントを展開できるよう準備を進めていく必要があります。委員会では他の都道府県による助成金の活用事例を調査分析しながら、国体後にどのようなイベントを開催していくのかを検討してまいります。