地域協同による組織活性化

地域陸協・クラブの実態に応じて連携や支援を強化し、関係組織全体の活性化を促します。

  • 栃木陸協には12の加盟団体=地域陸協・クラブがあり、県内各地域における競技振興を担っている。
  • 地域の振興事業を展開する一方、日本陸連が薦める陸連登録・公認競技会開催を手がけるところは少ない。
  • 栃木陸協が主体となり、地域陸協・クラブとともに関係組織全体が活性化できるよう手だてが必要。

地域陸協・クラブとして、一般財団法人栃木陸上競技協会には現在、12の加盟団体が存在します。各地域において陸上競技の普及、振興を図るための活動を展開されています。

  • 栃木市陸上クラブ
  • 宇都宮市陸上競技協会
  • 那須陸上競技協会
  • 小山アスレチッククラブ
  • 塩谷陸上競技クラブ
  • 佐野スパルタ倶楽部
  • 足利陸上競技倶楽部
  • 今市陸上クラブ
  • 南那須陸上競技協会
  • 芳賀・真岡陸上競技協会
  • 矢板市陸上競技協会
  • 華陵クラブ

2020年5月現在、ホームページが存在する2団体について沿革をみると、それぞれに歴史と伝統を有していることがうかがえます。おそらく他の10団体におかれても同様のことと思います。

全国の流れから大きな遅れ

各団体では、昭和55年の「栃の葉国体」などを契機として始まった大会や、地域の小中学生を集めて行う大会などについて、継続して開催されています。

このほか全国小学生交流大会県予選の各地区予選、郡市町駅伝代表チームの練習会や、地域の陸上競技教室を催したりするなど、陸上競技の振興上、各地域で大切な役割を果たしていただいています。

それから各団体代表は、栃木陸協の理事または評議員として、組織の役員を担っていただいており、栃木の陸上競技界における重要な舵取り役も務めていただいています。

しかし、日本陸連が各地域陸協に対して求めている、陸連登録選手の募集や公認競技会の開催などは、多くの加盟団体が「手つかず」の状況です。本来であれば、栃木陸協が主体となり年4回開催される理事会などにおいて、日本陸連から提供されるさまざまな資料を用いて各地域陸協・クラブに対して情報提供をしたり、必要な支援を行うことができれば良かったのですが、これまでそうした対応は、必ずしも十分なものではありませんでした。

全国的にみて、多くの都道府県が、陸連登録推進と公認競技会開催に向けた取組の改善について、工夫を凝らしながら手がけています。栃木県と人口、競技力水準などが同程度の他の都道府県や、近隣県の地域陸協・クラブにおいても、先進的な取組を手がけて、効果的に事業を展開しているところがたくさんあります。

収益を生むことの是非について

地域陸協・クラブが主体となり、主催団体として公認オープン競技会を順調に運営できるようになると、参加料収益を活用して組織の活動を一層発展させることが可能とになります。その収益を用いて、例えば子どもたちの教室に外部講師を呼んで指導をしていただいたり、トレーニングに必要な用器具を購入したりすることもできるようにもなります。

事業で利益を生むことを、よくないことと考える方もいらっしゃいます。従来から行われてきた、行政によるスポーツ振興事業、それから中体連・高体連の活動では、原則として利益を出してはならないと規定されているため、古く昭和の時代から長くスポーツ活動に携わられてこられた方や、教員関係者などは、そのように受け止めがちです。

しかし競技団体主催による公認オープン競技会の開催等においては、そうした思考や感覚を切り替える必要があります。利益を役員に分配するなど行わない限り、利益を出すこと自体には問題がないためです。参加者は参加料を支払って事業に参加し「受益者負担の原則」のもと活動し、その事業の意義や良さを享受する。主催者は事業を興して収益を生み、それを活用して組織を発展させながら、よりよい事業を展開していく。そして次回、さらに参加者を増やしていく。こうした流れが、現在におけるスポーツ振興の望まれる進め方です。

決して困難なことではありません。すでに現在存在している、さまざまな資源を組み合わせて、よりよい活動を展開することは、中心メンバーの意識と意欲次第でいくらでも可能です。

時代が移るにつれ、世の中の様相は変化を続けます。組織はその変化に沿って、必要に応じては形を変えなければ生き残れません。過去の慣習や画一的な既成概念、周囲からの同調圧力などに縛られること無く、時代の流れと最新の情報を踏まえ、柔軟な発想のもと対応していくことが不可欠となります。

関係組織の活性化に係るこうした課題については、それぞれが一体となって取り組まなければならないことと考えます。栃木陸協として各地域陸協・クラブの実態を把握し、また他の都道県陸協の取組などを参考とした上で、栃木の陸上競技の発展に向けて、地域陸協・クラブの在り方や栃木陸協とのより良い関係性などについて、今後の方策を検討いたします。