中高生登録制度の再検討

クラブ等との二重登録が可能な中高生が、ニーズに応じた競技参加ができるよう制度を再検討します。

  • 陸上競技では、中学・高校生に限り、学校とクラブの二重登録が可能である。
  • 生徒の多様なニーズに応えること、過重とされる学校教員の負担を減らすことなどが期待できる。
  • 制度を上手に活用し、教員以外の方や幅広い世代の方々を巻き込みながら、競技の振興を広げていく。

陸上競技の登録制度には、他の競技と異なる特徴があります。それは、中学生と高校生について、学校での登録に加え、地域や一般のクラブとの「二重登録」が認められていることです。既に、多くの都道府県がこの制度を活用しています。少子化傾向に伴い、全国的に中学や高校の陸上競技部が廃止される傾向がみられるようになったため、そのような仕組みが活用されるようになっています。

陸連登録のみ、あるいは二重登録をしている中学・高校生が、多くの都道府県で存在する。栃木県は中学・高校ともに、中体連・高体連加盟人数に対する陸連登録者数の比率が全国に比べて低い。

例えば、中学校で陸上競技部がない場合、地域陸協・クラブに登録して、陸協主催の競技会に参加することができます。ただし、この場合は中学校体育連盟、すなわち中体連関係競技会には参加できません。

また、中学校に陸上競技部が存在しても、人数が少ない上に専門の指導者がいない場合など、中学とクラブの両方に登録をして、クラブで専門的な指導を受けたり、別な中学に所属する同じクラブ員とリレーチームを組んで陸協主催の競技会に出場したりすることも可能となります。中体連関係競技会には中学校名で参加し、陸協主催の競技会では中学またはクラブ名で参加することになります。

このような、いわゆる「多様なニーズ」に応えることができるように、中学・高校は二重登録が認められるようになった次第です。

栃木県の場合、ほぼすべての中学生と高校生が、学校の運動部活動で陸上競技に取り組んでいます。

一方、中学生年代を対象として行われている、ジュニアオリンピック陸上競技大会の参加者リストを見ると、全国では、中学生でもクラブ名義で参加している選手が散見されます。将来的に、栃木県でもこうした参加者が出てくるかどうかはわかりませんが、例えば学校での登録と併せて、地域のクラブ等にも登録できる・あるいは「しやすい」環境や条件があると、さまざまなメリットが生まれると考えます。

例えば、中学生と高校生を地域陸協・クラブに「陸連登録選手」として所属してもらえるようにすると、中学・高校で陸上競技部に所属した生徒が、卒業後に地域で活動を継続するきっかけとすることができるなど、地域における世代の循環を促すことにつながります。

また、教員以外で公認指導資格を持つ方などが、任意のクラブを立ち上げ、週2回程度、地域の競技場などでクラブの活動を運営するとします。希望する中学・高校生はその2日はクラブへ通い、他の日は学校で、つなぎの軽い練習を行うなどの対応も想定されます。

現実には、陸上競技の指導を専門分野とする中学・高校の教員の中には、こうした体制に強い抵抗感を持つ方が少なくないことでしょう。しかし生徒の多様なニーズに対応するだけでなく、いわゆる教員の多忙感を解消したり「持続可能性のある社会」の実現を目指したりしていく上では、教員以外の方、そして幅広い世代の方々をたくさん巻き込んで、陸上競技を大きく育てていく必要があります

現在すでに定められている規定や、現場の状況等をよく調べていくと、組織運営を改善するためのさまざまなヒントがたくさん隠れているはずです。それらを委員会で調べ上げ、これからの時代に合った、適切な競技振興を進めていきたいと考えます。